Untitled (暖簾)

Untitled (暖簾)

展示場所:ビロウ棟
作品名:Untitled (暖簾)
2024 | 綿、テーチ木、福木

奄美大島の伝統工芸 “草木染め” で染色された暖簾。(建物はサウナ付き離れ)

草木染めには多くの種類の植物が使われる。例えば、琉球藍、フクギ、テーチギ木(シャリンバイ)、ハゼノキ、サトウキビの葉、ソテツ、ハイビスカス、サネン(月桃)、モクマオ、アカメイヌビワ、シイノキ、クチナシ、クズ、ヨモギ、田芋など。

また、草木染めは大島紬の染色法として活用されていただけではなく、島在来の植物が持つさまざまな「効能」を生活に取り入れる知恵でもあったとも考えられる。例えば、琉球藍は島の深い海を思わせる藍色に染まり、抗菌や虫除け作用がある。大島紬の糸を染めるために使われる「テーチ木(シャリンバイ)」は、皮膚の火照りや炎症を抑える働
きがある。サネン(月桃)は染めるとブラウンに染まり、抗菌効果が高い。

自然に寄り添う暮らしを行ってきた島ならではの知恵が、この草木染に集約されている。


染色家:上村貴仁(カンムラ染色)
奄美大島大和村名音集落出身。
奄美北部にて本場奄美大島紬の泥染職人としての修行を積み上げ、工房カンムラ染色を設立。生まれ育った大和村にある草木植物を採取した染料を使っている。